スポーツ損傷の疾患、治療について
以下のような症状・病気にお悩みの方はご相談ください
足首の捻挫
運動、スポーツでジャンプして着地する時に起こる代表的な怪我の一つです。
足関節捻挫とは関節を支えている靭帯(代表的な靭帯は前距腓靭帯と呼ばれる外くるぶしから前に繋がる靭帯と踵腓靭帯と呼ばれる外くるぶしと踵の骨を繋ぐ靭帯です)が傷つく状態です。損傷の程度によって3つに分類します。
- 1度:前距腓靭帯の部分損傷
- 2度:前距腓靭帯の完全損傷
- 3度:前距腓靭帯と踵腓靭帯の完全損傷
捻挫の症状
足首の捻挫は多くは足首を内側に捻って起こります。そのため足首の外側が腫れて痛みが出ます。痛みの程度によっては体重が蹴られず歩けなくなることもあります。
骨折の除外は必要ですのでレントゲン検査を行います。
小児の場合骨の形が大人のように出来上がっていないためレントゲンのみでは骨折を見逃すことがありますが超音波エコー検査により骨折が見つかることもあります。
骨折がない場合でも重症の捻挫では3週間程度のギプス固定を要する場合もあります。
治療
捻挫をした直後は重症度によって包帯、テーピング固定からギプス固定まで行います。自宅に帰りましたら患部を冷やし、枕などを足の下に入れて挙上して寝るようにします。なるべく安静を心がけます。
固定が外れたら足首が固くならないように足首の運動、足の指のストレッチなどを行います。筋力が回復してきたら片足立ちの練習やジョギング、ダッシュと行ったように徐々に運動量を上げていくようにして下さい。
その他の下肢、足関節のスポーツ障害
シンスプリント
長い距離を走ることの多い競技を行う中高生に多く見られるスネの内側に痛みが起こる障害です。
足首を底屈(爪先立ちの姿勢)させる筋肉の繰り返しの運動によりスネの骨(脛骨)の内側の骨膜に炎症が起こることで痛みが出現します。
安静が必要ですが、原因となる扁平足や下肢の筋力不足、足に合わない靴の使用などがないかをチェックする必要があります。
アキレス腱損傷
30−50歳代のスポーツ愛好家に発生します。レクレーションレベルの運動でも起こることがあります。急激に動いた時(ジャンプやダッシュ、踏み込み動作)に下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が急激に伸ばされた時に起こります。原因はアキレス腱の老化が基盤にあると言われています。
治療
断裂したアキレス腱を直接縫合する手術療法と手術を行わずにギプスや装具で治療する保存療法があります。
最近は局所麻酔で日帰りでの手術も可能になっており手術療法をお勧めすることも多いですが、手術療法、保存療法にはそれぞれメリット、デメリットがあります。よく説明を聞いて選択して下さい。
肉離れ
筋肉の線維が自らの力で収縮する際にその力に負けてしまい筋繊維が部分的に損傷し切れてしまう状態です。
治療
重症度によりシーネ固定、包帯圧迫、松葉杖での免荷を行います。
痛みが軽くなりましたら少しずつ痛めた筋肉を伸び縮みさせるようにストレッチとマッサージを行います。痛みの無い側(健側)と同程度の動きに戻ってから徐々にジョギング、ダッシュへと運動強度を戻していきます。
その他のスポーツに伴う足の痛み
スポーツ活動に伴い慢性的な足の痛みが起こった場合は以下の疾患を考えます。
- 外脛骨障害
- 足底腱膜炎
- アキレス腱付着部炎、踵骨滑液包炎
- 踵骨骨端症
- 種子骨障害
治療
- 外用薬や鎮痛消炎剤の使用
- 足底装具の作成
- 安静
- ステロイド剤等の局所注射